SuMPO/第5回心豊かな未来ビジネスシンポ開催報告

  • 2022-09-16

    イベント

SuMPO/第5回心豊かな未来ビジネスシンポ開催報告

 

 一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)は、「心豊かな未来」を実現するために「企業経営」の立場から会員企業の方々とともに「サステナブル経営」のあり方を模索し、共創ビジネスの創出支援を目的に心豊かな未来ビジネスシンポを開催しています。
 今回は、「食と農の未来と今」をテーマに開催致しました。今、食料システムは大きな転換期にあります。COVID-19によりグローバルな食料システムの脆弱性が浮き彫りになったほか、効率性を求めた大量生産大量消費やフードロス、過剰な化学農薬や化学肥料の使用による環境汚染・生態系への影響など、農業や食料システムにまつわる課題は多岐に渡ります。私たちは、環境への影響という制約の下で食料安全保障を満たす必要があるなどの様々なトレードオフに直面し始めています。今、成長の限界にぶつかるということは何を示すのかについて考える時間が必要ではないでしょうか?このような中、ヨーロッパをはじめ世界中で従来の食料システムからの脱却を試みる中、日本国内でも同様の議論があり、2021年5月、農林水産省は食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立を実現する「みどりの食料システム戦略」を策定しました。
 持続可能な食料システムでは、将来の世代のための経済的、社会的、環境的基盤が損なわれないように、すべての人の食糧安全保障を満たします。しかし、従来の食料システムから将来の持続可能な食料システムへの転換には「間」が存在します。将来のあるべき姿を描いた時、移行期間である「間」にはどのようなアプローチが求められるのでしょうか?
 本シンポでは、SuMPO理事長の石田秀輝より「個のデザイン」を起点とした食社会について、また、サステナビリティ・トランジションを提唱する、秋田県立大学教授 谷口吉光氏をお招きし、農業や食料システムのあるべき将来像への移行についてお話いただきました。パネルディスカッションでは、地域において具体的に取り組みを進めている、会員企業の株式会社神戸酒心館 安福武之助様、リファインホールディングス株式会社 川瀬泰人様を交え、「食と農の未来と今」を紐解きました。

■こちらからアーカイブ動画をご覧いただけます。
URL:https://www.youtube.com/watch?v=VEu8cLWf_lY


【開催概要】
 日時:2022年9月15日(木)15:00~17:30
 会場:神戸酒心館ホール(〒658-0044 兵庫県神戸市東灘区御影塚町1丁目8−17)
    
https://www.shushinkan.co.jp/access/
 開催形式:ハイブリット開催

 参加人数:160名
 参加費:無料

【プログラム】
  15:00~15:40 基調講演 「サステナブル資本論のかたちと食」
         一般社団法人サステナブル経営推進機構 理事長 石田 秀輝
  15:40~16:20 招待講演「食と農のサステナビリティトランディション」
         秋田県立大学地域連携・研究推進センター 教授 谷口 吉光氏

  16:20~17:30 パネルディスカッション 「『食』と『農』の未来と今」
    (パネリスト)
         秋田県立大学地域連携・研究推進センター 教授 谷口 吉光氏
         一般社団法人サステナブル経営推進機構 理事長 石田 秀輝
         株式会社神戸酒心館 代表取締役社長 安福 武之助氏
         リファインホールディングス株式会社 代表取締役社長 川瀬 泰人氏 
    (ファシリテータ)
         株式会社SEE THE SUN  代表取締役CEO 金丸 美樹氏

 17:30 閉会


<登壇者のご紹介>

【基調講演】

石田 秀輝  一般社団法人サステナブル経営推進機構 理事長

1953年生まれ。2004年㈱INAX(現LIXIL)取締役CTO(最高技術責任者)を経て東北大学大学院環境科学研究科教授、ものつくりとライフスタイルのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。特に、2004年からは自然のすごさを賢く活かすあたらしいものつくり『ネイチャー・テクノロジー』を提唱、2014年から『心豊かな暮らし方』の上位概念である『間抜けの研究』を沖永良部島へ移住、開始した。地球村研究室 代表・東北大学名誉教授・星槎大学特任教授・(社)サステナブル経営推進機構理事長・酔庵塾塾長・ものつくり生命文明機構理事・アースウォッチ・ジャパン理事・ネイチャー・テック研究会の代表などを務めている。

石田 秀輝氏

【招待講演】

谷口 吉光 氏  秋田県立大学地域連携・研究推進センター 教授

1956年東京都生まれ。上智大学大学院博士後期課程満期退学(社会学専攻)。専門は環境社会学、食と農の社会学、サステナビリティ・トランジション。秋田を拠点に、農・食・環境に関わる幅広い問題の解決に地域の人々と一緒に取り組んできた。地産地消を進める会代表理事、秋田県有機農業推進協議会アドバイザー、NPO法人民間稲作研究所理事などを務める。みどりの食料システム戦略を契機に「有機農業を軸に日本農業全体を持続可能な方向に転換すべき」と訴えている。環境社会学会会長(201719年)、日本有機農業学会会長(2019~現在)。
著書に『八郎潟はなぜ干拓されたのか』(秋田魁新報社、2022年)、『有機農業大全』(コモンズ、共著、2019年)、『「地域の食」を守り育てる』(無明舎出版、2017年)、『食と農の社会学』(ミネルヴァ書房、共編著、2014年)など。

【パネルディスカッション】

パネリスト

安福 武之助 氏  株式会社 神戸酒心館 代表取締役社長

大学卒業後、アサヒビール株式会社勤務を経て、2003年10月 株式会社 神戸酒心館に入社。2007年6月 同社 取締役副社長、2011年8月 代表取締役社長に就任。清酒「福寿」の醸造元として、国内百貨店などに販売する一方、日本酒の海外輸出事業も推進し、2016年日本酒造組合中央会 海外戦略委員に着任するなど、国内外で日本酒の啓蒙・教育にも注力している。
2019年エコプロアワード財務大臣賞を酒類業界ではじめて受賞。

川瀬 泰人 氏  リファインホールディングス株式会社 代表取締役社長

化学工学会・東海支部 支部長、日本溶剤リサイクル工業会 会長、日本液体清澄化技術工業会 理事 等。
19803月 金沢大学工学部化学工学科卒業、19861月 千葉蒸溜㈱ 入社、1994年9月 日本溶剤リサイクル工業会 事務局長に就任、2003年9月 日本リファイン㈱ 代表取締役社長に就任(19917月 大垣蒸溜工業㈱が千葉蒸溜㈱を吸収合併し、日本リファイン㈱に社名変更)、2006年3月 名古屋大学大学院 工学研究科にて博士(工学)の学位を取得、2015年5月 日本溶剤リサイクル工業会 会長に就任(現在)、2018年1月 リファインホールディングス㈱代表取締役社長に就任(現在)

ファシリテータ

金丸 美樹 氏 株式会社SEE THE SUN 代表取締役CEO

1998年に森永製菓株式会社に入社。ビスケットのマーケティングや「ハイチュウ」「チョコボール」などの広告の業務を経て、新規事業部に配属。同部では、アンテナショップの立ち上げたのち、食品業界初のアクセラレーターを行う。その後、食にまつわる社会課題の解決を目指して株式会社 SEE THE SUN を2017年に設立。2019年には食品企業を中心に未来の食を創造するコミュニティ「Food Up Island」を設立。「テーブルを創るすべての人を幸せに」をミッションに様々な人との共創プロジェクトを起こす。

 
【お問合せ先】
 一般社団法人サステナブル経営推進機構
 会員事業室(堀田、楢崎、又江)
 Eメール:info@sumpo.or.jp