「サステナビリティ・トランスフォーメーション - LCAで繋ぐ経済価値と社会価値 -」開催報告
-
2023-04-04
イベント
「サステナビリティ・トランスフォーメーション - LCAで繋ぐ経済価値と社会価値 -」開催報告
2019年10月に開所し、昨年10月無事に3周年を終えることができました。この間、世界はCOVID-19の世界感染、ロシアによるウクライナ侵攻、そして世界各地で起こる大洪水、大火災などの気候災害など21世紀の序盤のこの時期に大激震を起こしています。
一方、こうした事象は、我々人類に多大な悲劇をもたらすとともに、日常的な事業活動やライフスタイルの在り方を根底から覆す大きな転換を「本気」で促す歴史的事件ともなりえます。「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX:持続可能社会への転換)」、2023年をその行動変容の第一歩にすべく、今まさに動き出す「とき」と考えます。
SuMPOはその歴史的な年の始まりに、現在の神田駅前に分散するオフィスを新たに神田のビジネス街、内神田の「神田スクエアゲート」に集合化し、2023年1月6日から新オフィスで活動を開始しました。「バックキャスティング」、「LCA(ライフサイクルアセスメント)」、「ハンズオン」の業を擁して、社会課題に果敢に挑む企業様はじめあらゆるスタークホルダーの皆様と共にSuMPOらしい「サステナブル経営」手法を模索しながら、引き続き“前に前に”歩を進めてゆきたいと考えております。
2023年3月16日、新オフィスへの移転を記念しまして、「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)- LCAで繋ぐ経済価値と社会価値 -」をテーマにハイブリット形式で開催し、SuMPOの従来のサービス内容の革新とともに、2023年度以降SX戦略や海外戦略による新たな価値創造に向けて「三歩(さんぽ)先行く事業経営」を目指していくことを参加者(総数332名)の皆様にお約束させていただきました。
【開催概要】
日 時 :2023年3月16日(木)13時30分~15時30分
形 式 :ハイブリッド形式(SuMPO本部オフィス・Teamsライブイベント)
テーマ :「サステナビリティ・トランスフォーメーション - LCAで繋ぐ経済価値と社会価値 -」
参加人数:332名
【プログラム】
13:30 開会 司 会: 一般社団法人サステナブル経営推進機構 経営企画部 部長 小林 弘幸 |
|||
13:34~13:54 ご挨拶及び講演基調講演: |
|||
1973年3月 3000万部のベストセラーとなった「The Limits to Growth」発刊から50年が経過しました。濃淡はあるにせよ、この間、持続可能な社会創成に向けて人類は間違いなく世界的な規模で挑戦を繰り返し今に至るものの、残念ながら、持続可能な社会に近づいているという実感は希薄です。それどころか、このままでは2030年頃には、文明崩壊という引き金に手を掛けるところまで環境劣化は加速しています。我々はどこで何を間違えたのだろう、どうすれば一つの地球で暮らすという社会が創れるのだろうか? 未来の子供たちにすてきなバトンを手渡すために、思考の足場を少し変えて考えて見たいと思います。 |
|
||
13:54~14:07 |
|||
「SuMPOは開業からすでに3年を経過し、この間、多くの皆様に支えられて着実に成長してまいりました。今般、「SuMPO/中期経営戦略2025」を策定し、3年計画の初年度となる2023年度から新たな志を持って邁進してまいります。目指すは、「サステナビリティ・トランスフォーメーション」の加速化。SuMPOの強力な技の一つ、「LCA(ライフサイクルアセスメント)」を「経済価値」と「社会価値」を繋ぐエンゲージメントツールとしてさらなる挑戦の一端をご紹介します。 |
|
||
14:07~14:33 LCAエキスパートセンター事業紹介 | |||
「シナリオを現実にしてゆくためのフレームワークとしてのLCA」 LCAエキスパートセンター センター長 神崎 昌之 |
|||
最終製品を起点にライフサイクルを俯瞰して環境配慮設計してゆく流れが、変わろうとしています。サプライチェーンにおける全てのサプライヤーが自社の取組をライフサイクル視点で語る流れが起きているためです。これを受けてLCA手法も、スナップショット的に現在の環境パフォーマンスを示すLCAと、設定されたシナリオを現実のものにするために関係者が語り合うためのLCAとの二つの流れが出てきています。今後、定量指標がどのように進化し、それが「自然資本」や「生産性」という観点から新しい価値観をどのように創っていけるのかを考えます。 |
|
||
「楽しいLCA・カーボンフットプリント」 LCAエキスパートセンター 統括室 室長 山岸 健 |
|||
昨今の欧州バッテリー規則対応としてのカーボンフットプリントや、部材選択による取引先の選別にかかるカーボンフットプリントなど、サプライチェーンにおける要請に対応するLCA・カーボンフットプリントが急激に増加しています。これらの取り組みは社会インフラとして重要であるものの、一歩先の社会ではどのような取り組みが求められるのでしょうか。 |
|
||
14:33~14:59 カーボンニュートラル事業紹介 |
|||
「創造社会と見える化」 カーボンニュートラル事業部 カーボンニュートラル事業室 室長代理 澤村 翔太 |
|||
昨今、CO2排出量やカーボンニュートラルといった単語が飛び交い、企業や一般消費者は各々の視点・価値観でカーボンフットプリントを認識する社会に推移しています。様々な方法で算出されたカーボンフットプリントが世の中に溢れ、排出量の大小に紐づけて、製品やサービスの良し悪しの考え方も多様化しています。カーボンニュートラル事業室は、社会としてカーボンフットプリントを受け入れる基盤(受け手が創造性を発揮できる社会)の構築を目指して、創造的な社会とカーボンニュートラル社会の双方の実現を推進します。 |
|
||
「グローバルLCA指標としてのEPD」 カーボンニュートラル事業部 環境ラベル事業室 室長代理 岩下 博哉 |
|||
様々なシーンで求められるLCAやカーボンフットプリントですが、国外でも通用する数字とするためには、一体何が必要でしょうか。答えはEPD。EPDはEnvironmental Product Declarationの略称で、LCAの算定ルール(PCR)、第三者検証、コミュニケーションのすべての要素がひとまとまりになった国際規格ISOに基づく世界共通の枠組みです。世界の公共調達シーンでも活用が進むEPDについて、現状と今後の展望、日本発EPDの進むべき未来について提言します。 |
14:59~13:25 コンサルティング事業紹介 |
|||
「サステナビリティ・トランスフォーメーションへ向けた新たな事業の芽について」 コンサルティング事業部 部長 鶴田 祥一郎 |
|||
カーボンニュートラル社会に向けて世界レベルの動きがある中で、抜本的な改革がないと高い目標達成には届かない状況です。10年、20年先のサステナブルな社会に向けて、企業だけのアプローチでは不十分で消費者からのアプローチも必要不可欠になります。SuMPOは消費者も巻き込む新たな価値観を実感する社会の構築を目指します。それに向けて難しい壁が立ちはだかると考えられますが、その中でも楽しさも踏まえてどんな壁も乗り越えるビジネスモデルを考え抜きます。 |
|
||
「顧客の期待に応える調査コンサルティング」の実現に向けて」 コンサルティング事業部 部長代理 宮﨑 昌 |
|||
「客観的な助言より主体的な実行」…こうした社会的な要請が日に日に高まる国内コンサルティング業界の現状を紐解き、受発注者それぞれの現場の生の声等をもとに、SuMPOが目指す調査コンサルティングの将来像について提言します。生物多様性・水資源・地域資源の循環など、社会課題が変遷するなか、“顧客の期待値が時々刻々と変化していく” ことに対応できる「伴走支援・自律組織」のあり方を問い直します。 |
|||
15:25~15:30 閉会挨拶 カーボンニュートラル事業部 部長 戸川 孝則 |
【連絡先】一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)
東京都千代田区内神田一丁目14番8号 KANDA SQUARE GATE 4階
経営企画部 経営企画室
E-mail:info@sumpo.or.jp